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僕のまーくん。

第43章 紙切れの真犯人?



N「紙切れ、入れてたのってあの二人で……」

A「二人?」

N「うん。吉高さんの友達の石川さんって
 女の子。僕のクラスの子が……」

A「あぁ……」


唇を一度ぎゅっと噛んでから、それから僕は
まーくんにさっきの想いを伝えた。


N「僕ね、まーくんとの事……絶対譲れなかった
 ……あの吉高さんの気持ちも分かるよ?
 まーくんの事、本気で好きで諦められないん
 だって。泣いてたしさ……あの告白したあと
 まーくんに。すれ違い様、睨まれたの覚えて
 て……でも、でも……あんな言われ方されて
 正直すごいムカついた。
 僕だって本気でまーくん好きなんだもん。
 ……だけど、吉高さんは可愛い女子で……
 まーくんには女の子の方がいいんじゃない
 かって……僕、それで一瞬本気でそう思った。
 幼なじみだから……昔からまーくんに色々
 甘えてしまって……それで、それで……
 本当は迷惑なんじゃないかって……」


そこまで一気にまくし立てるように
話す僕の言葉をまーくんが、急に


A「こらっ」 


ポフッ


って、おでこに軽くデコピンをくらい
遮られた。


N「ぁいてっ」


そんなに痛くはなかったけど、まーくんの
急なこの行動と、僕を見下ろす真剣な眼差しに
ドキンとした。


A「かずくんさぁ、僕と何年いるの?」


N「えっ……」


A「僕が一度でもかずくんといる事、迷惑そうに
 してた事あった?」


……。


フルフルと首を横に振る僕に。
まーくんは


A「僕の一番は、ずっと昔からかずくんだけ。
 僕とかずくんの間に迷惑なんて言葉は
 前もこれからもずっと存在しないよ」


って…
具合悪くてきつそうにしていたまーくんだった
けど、そう言って僕をみつめてくれる
まーくんの瞳にはすごく強い意志が宿っている
ようで。

真剣そのもので。

本物のまーくんの気持ちを、僕はちゃんと
まーくん自身から伝えてもらって。
優しさの塊みたいな、まーくんにちゃんと
愛されてる目には見えない、大事なものを
もらったようで。
心から、安心出来た。


N「……うん。ゴメン……まーくんありがと」


それだけ言うのがやっとで。
これ以上言葉にしたら、なんか泣いちゃいそうで。


まーくんを下から見つめるだけで精一杯だった。


A「かずくん……ちょっとここじゃさ……」

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