
僕のまーくん。
第45章 ドキドキの体育祭
丸「そぉんな怖い顔せんといてぇや、二宮くぅん」
……これだ。
この言い方が気に入らないんだ。
絡みたくないってこっちは思っていても
ニヤニヤしながら、お構いなしに接してくる
所とか。
N「なに?」
「朝一緒に居はったあの先輩?大ちゃんの友達
でっしゃろ?」
N「……うん、それが?」
「えらい、オレに絡んでくるさかいオレも
あんなん言い方しか出来ひんかったけどな?
二宮君の友達なん?」
N「……うん、幼なじみだけど」
そう言うと、
ほぉ、とか、へぇとかまた、ニヤニヤしながら
こっちをじろじろ見る丸山君。
……。
相手にするのもやっぱりなんか、面倒くさいって
思っていた矢先に、目の前に急にデカイシルエットが立ち塞がった。
あ、綾野くん。
「あぁ、あの…急ぎますんで……し、失礼します」
そう丸山君に言ったかと思えば、僕の肩に
遠慮がちに手をそっと置いて、
「に、二宮君、い、急ぎましょ!」
っと、綾野くんに押されながらくるっと又前を
向かせられて歩くのを促された。
え?
綾野くんがスタスタと僕の背中に軽く触れるか
触れないかの感触で、押してくる。
フフフフッ
もしかして、まーくんが言った事を
忠実に守って、実行してくれた?
N「ねぇ、綾野くん?フフフフッ」
笑いが勝手に込み上げる。
綾野くんが、ちょっと興奮気味にスタスタ
歩き続ける。
やっぱり、この人面白い!
それに、優しいんだ。
僕が見るからに嫌な顔したのを、見逃さなかったんだと思う。
それに、素早く反応した綾野くんの行動は。
まーくんからの頼みを忠実に利いてる忠犬のよう
だって思っちゃった。
チラッと後ろを振り返れば丸山君が小走りで
追いかけてくる姿が目に入った。
ちょっ、
うぇぇっ……
また来たぁ
