
僕のまーくん。
第45章 ドキドキの体育祭
それから、一旦僕は学ランから体操服へと
着替えて自分が出る唯一2つしかない競技の為、
編成所まで向かう事にした。
ワイワイ生徒達が賑わう中を潜り抜けて行こうと
したら、
「二宮君!俺も一緒に……」
って綾野くんが立ち上がった。
N「綾野くん、係とかないの?大丈夫?」
と聞くと、綾野くんはフッと困ったような
顔をしながら
「あの、すみません……一回どうしても、
どうしても抜けないとい、いけない時が
あって……あぁ……」
と、頭を抱えてまで悩んだ様子に思わず
吹き出してしまった。
N「いや、綾野くん!抜けて!ね?そこは、ね?」
と返すと、パッと顔を上げて目が合った。
「二宮君!俺、誰かにか、代わって頂き
ましょうかっ!?」
って、ぅえぇっ!?
N「いやいや、綾野くんそんな事してまで、
マジで僕に付いててくれなくても全っ然
いいから!ねっ?その時はちゃんと行ってね?
怒られちゃうよ?」
ふふふっと笑いを堪えながら僕は綾野くんに
そう強めに、伝えた。
そうじゃないとさ、こんな事まで言うくらい
だから、まーくんのお願いをこの人は命に代えて
でも、まっとうしそうじゃん。
それに、トイレの中とかまでついてこられたり
しても、困るじゃん……。
ふぅ。
真面目で、いい人すぎるんだろうね。
ありがとう。
なんてちょっと思いながら
N「んじゃ、行こ?」
と、綾野くんに言って二人で編成所まで
向かう事にした。
N「ねぇ、綾野くん?あのさ、何にもないと
思うよ……まーくんが綾野くんにこんな変な
お願いして、ゴメンねって思ってる。」
そう言うと綾野くんは
「い、いや、二宮君はご自分の事がよく分かって
らっしゃらないんだと思います!あ、あなたは
本当に……可愛いし、う、羨ましいですよ。
俺なんかからしたら…」
ちょっと恥ずかしそうに言う綾野くんを見て
僕もまた、その言葉に
N「えぇっ!?何よそれぇ?」
って返した。
どうにも、昔からこの「可愛い」
って僕に向けられて言われるフレーズは。
確かに、男らしくない体格だけど、
なんかやなんだよなぁ。
綾野くんは、全く悪気があって言ってるわけじゃ
ないって分かるんだけどさぁ……
なんて思っていたら
「罪ですよ……」
ボソッと小さな声で綾野くんが言った。
