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僕のまーくん。

第45章 ドキドキの体育祭



応援席に戻って行くまーくんを、ずっと目で追って
たら、急にくるっと振り返ったまーくんと
遠い距離から目があった。

あ♡

顔の前でまーくんが、大きくVサインしてる。
んふふっ
僕も親指立てて、1等賞おめでとう!の
合図を送った。

まーくんもそれを見て、グッと親指を立てて
ニッコリ笑ったのが見えた。
ん~ん♪♪
こんだけのやり取りだけで、俄然ヤル気になった。
だってさ、口パクでまーくんがそのあとに

「が、ん、ば、っ、て」
って言ってるのも分かったからさ。
んふふっ

次は、一年生の競技。
その為に今ここに並んでるんだし。

走るのは別に嫌いじゃない。
……走んないけど。
普段からは。

だってさ、まーくんみたいにスポーツに
ガッツリ燃えてます!!
ってタイプでも全然ないしさ……
まーくんは、僕の事「速い」って言ってくれる
けど普段そんなに速く走らないといけない
シチュエーションなんてないでしょ?

どっちかっていうとさぁ、
走らなくてもいい選択肢をしてるし。
疲れちゃうんだもん。

まーくんは、凄いなぁって本当思うよ。


そんなことをぼんやり考えてたらさ、
あっという間に次は僕の走る順番になった。


ふぅ……


ガヤガヤ歓声の上がる中、僕は深呼吸して
スタートラインに立った。
横一列、7人並ぶ。
……みんなめちゃ速そう。


んよしっ!
行くぞ!
赤組の得点に、少しでもなるんだ!
いつになく気合いが入った。


「位置についてぇ」



バンッ!


の合図で、スタートダッシュをかました。


風を切る!


切る!


切るっ!!!


グングンとスピードに乗れる感覚に自分の
身体が久しぶりに、こんなに軽く感じて……


そのままゴールテープを勢いで切った時には
ハァハァ言いながらも、ガッツポーズを
していた。


……やったぁ!


1位はやっぱり気持ちいい!
赤組に少しでも貢献出来た事に、僕は喜んだ。

初めての高校体育祭。
緊張してたけど、微力ながらも結果残せて
良かったぁ。


普段の運動不足のせいか、やっぱり息が上がっちゃうのが、残念だけどさ。
まっ、いっか♪♪
まーくんと同じ1位が取れた事が嬉しかった。




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