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好きにしていいよ

第3章 なんで俺なの?





…悠…ゆうっ!!




何度も、俺を呼ぶ声…




ペチペチと、数回ほど頬を叩かれる。




『大丈夫か…』




そっと目蓋を開ければ、目の前には獣のように俺を犯しまくった黒川敦史の姿があった。

身体がいうことをきかない…

疲労感が半端なく、何度も突かれた後孔は動こうとするとピリピリと痛みが走る。

どれくらい
意識を失ってたんだろう…

服は着替えさせられ、ベッドに横たわっていた。




『最悪だよ…あんた…』

『自分だって、気持ち良さそうに啼いてたろ?』

『それは…っ!!』!』




なんで俺…




泣いてるんだろう………




自分の意志とは関係なく、溢れ出る涙を止めることができない。




『ごめん…やり過ぎた…』

『…』

『こんなに泣かれるとは思わなかった…最悪だったよな俺…』




そう言うと、黒川敦史は申し訳なさそうな顔をしていた。

どういうわけか目が離せない…

嫌いになったはずなのに、

こんな奴なんて好きでもなんでもないのに…




『送っていくよ、確か寮に住んでたよな』

『いい…あんたと一緒にいたくないから…』

『そっか…俺は本格的格的に嫌われちゃたみたいだな…』




俺よりも大きな手の平が、優しく髪を撫でる。

だけど俺は、それを振り払わなかった。 好きなようにさせていた。




『俺はお前が好きだ…それだけは忘れるな…』




だから…
どうして………?

今日会ったばかりで、お互いのことは何も知らない。

なんで、あんたは俺のことを好きだと言うんだ?




『…』
何も言い返せない。




パタリと閉まるドアを、俺はただ見つめることしかできなかった。

ボンヤリと天井を眺める。




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