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好きにしていいよ

第6章 初めての媚薬






緊張と不安で身体が震える。

俺の緊張をほぐそうと、樋口大貴が一生懸命になって喋りかけてくれた。


椅子に腰かけた俺を、後ろから覆い被さるように抱きしめられて。


めちゃくちゃ顔近いし…


服の上からでも、程よい筋肉がついてることが分かる。

見た目は可愛いらしいけど、俺なんかよりずっと男らしい身体してるし。




「ゆうちゃん…リラックスして…」

「…っ…はぁ…ん」




耳許に吹きかけられる熱い吐息。

肩に触れられただけで、たったそれだけのことで甘い刺が走る。




「あっ…ん…さわ、んないで…」




これも媚薬の効果なのか…

撮影前に飲まさた媚薬は、即効性の物なのか効き目がやたらと早い。




まだ本番にもなってないのに、身体が熱く火照ってくる。




「んっ、」





視界が遮られたと思ったら、樋口大貴の顔が近くにあった。


唇が触れて……


噛みつくような荒々しいキス。


がっちりと後頭部を固定され、深くて長いキスに意識が朦朧としてくる。




「…っ…ふぅ…んっ…ん」




掻き回される舌が熱くて、火傷しそうだ。

きっと、これは媚薬のせい…




「んっ…ぁ…はぁ…ん」




名残惜しげに離れた唇から、銀の糸がだらしなく尾を引いた。

濡れた唇が、やけに生々しい。




「すげー物欲しそうな顔してる。見てるだけでイッちゃいそう…めちゃくちゃに壊したくなるよ…」

「うっせぇ…バカ…」

「今すぐ押し倒したいけど、楽しみは本番に取っときゃなだね」




見た目の可愛らしさに、惑わされていたけど

こいつ、樋口大貴は…思うよりも男らしいらしい奴かもしれない。




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