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好きにしていいよ

第2章 撮影スタート





立ち位置を確認して、いよいよ本番だ。

俺は吊革に掴まってる状態で、すぐ後ろに黒谷さんがスタンバイしていた。

周りはエキストラの人達に囲まれて、こんな状況初めてで、酷く緊張する。




『大丈夫…僕に身を任せて…』




ガチガチになった身体を、黒谷さんが覆い被さるように抱きしめた。

それだけで、自然と肩の力が抜けてきたような気がする…






俺はサラリーマンに扮した黒谷さんに、痴漢されちゃう男子高校生だ。




「ひゃ…ん」




黒谷さんの手が、制服のズボンのうえから円を描くように尻を撫で回す。

もっと…
触って欲しい………

ダメだ!
俺は痴漢に嫌がる男子校生を、演じなければならない。

でも…でも…




「ああっ!ああんッ!!」
「カアッーーート!!!!!」
撮影が一旦中断する。




「最初から喘いでどうする!?徐々に快楽に落ちていく男の子を撮りたいんだ!!」
「すいません…」




恥ずかしい…

でも、黒谷さんの触れる手が物凄く気持ち良くて……

流石に神の手(ゴッドハンド)と言われるだけのことはある。




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