テキストサイズ

好きにしていいよ

第2章 撮影スタート





衣装に着替えメイクを済ませると、スタジオへと向かう。

電車の雰囲気を再現したようなセットで。
今回は何人ものエキストラさんが、主演することになってる。




「初々しいね。凄く似合って可愛いよ」

「黒谷さんっ!!」




やっぱり格好良いな…

黒谷さんはサラリーマンの役で、スーツ姿が見惚れるくらい似合ってる。




「うわっ…」




不意に腰を引き寄せられて、黒谷さんの胸にすっぽりと包まれる。

耳朶に黒谷さんの息が触れた。




『いっぱい鳴かせてあげるからね』




囁くような低温ボイスに、見る見るうちに俺の顔は赤く染まった。

ちゅくりと、耳の穴に舌を差し込まれて、俺の体温は一気に上昇する。




「あっ…ん…やぁ…」




気持ち良くて、身体が震えた。

たったそれだけのことで息があがり、俺は貯まらず黒谷さんの服の裾をギュッと掴む。




「本番入りま~す」




ほっと胸を撫でおろし、監督さんの声に救われた。

怖かったのだ。

感じ過ぎてどうにかなってしまいそうな自分に…




「一緒に頑張ろうね」




顔に影がかかったと思ったら、黒谷さんに唇を奪われていた。




「んっ…ぅ…」




離れた唇をペロリと舐められる。

真っ赤になった俺を、黒谷さんは面白そうに見下ろしてた。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ