君はぼくの全て
第10章 特別授業 4
先生はニコニコしたまま黙って聞いてくれて
多少ぼかしはしたけど、話し終えたのを見計らってまた頭をぽんぽんした
「ま、しゃあないよなぁ」
「でも…」
「準備もなにも分からないで事に及んだんだから2人の責任」
それは分かってるもん
だけど、いくら咄嗟とは言え一番蹴っちゃダメなとこを蹴ったのは、俺
「まあそこはさ、お前が謝るとして。お前らはセックスがなきゃ付き合えない?」
「そんな事ない!」
思わず声を荒げて、先生が “よしよし“ と嗜める
ちっちゃい子じゃないんだけど
でもちょっと、そうされて安心するのもホント
「俺から見りゃ、ケンカどころかのろけにしか聞こえねぇけど……お前にしたら真剣なんだな」
のろけ?
違うよ。だってまーくん、俺の顔見てくれなかったもん
やっぱり痛い事されて怒ってるんだよ
謝りたくても、微妙に避けられて話が出来ないんだから
「ぅえ…」
「泣くな泣くな、ほれ」
歪んだ口に突っ込まれたのは
………甘い、キャラメル