君はぼくの全て
第11章 補習 1
「いったぁぁぁいっ!!」
「ああっ!ごめんっ」
鈍い音と俺の絶叫にまーくんがまた慌てるけど
「なぁに、あんたたち」
元凶はこのヒトだからまーくんは謝らなくていい
引き離したのはまーくんだけど、それは不可抗力だからノープロブレム
まーくんは悪くないから
ただ慌てて思わず俺を離しちゃっただけだからね
「ちょ…っ!いきなり入らないでよ!」
後頭部を擦りながら、ババ…母さんを睨み付けた
「あら、何でいけないのよ」
けろっとした顔が憎らしい
中途半端に俺と似てるから尚更憎らしい
「ノックしたわよ、ちゃんと」
「同時に開けたらノックとは言わない」
「男のくせにみみっちぃわねぇ」
「とにかく!びっくりするからいきなりはやめて!」
「ああそうね。イチャイチャしてたんだもんね」
ガンッ!
何かがぶつかる音に咄嗟に頭を抑える
「痛っ…く、ない…?」
ふと横を見ると
今度は耳まで真っ赤にしたまーくんが、テーブルにおでこをぶつけていた