君はぼくの全て
第11章 補習 1
「あらら、雅紀くん大丈夫?」
「…はい、大丈夫、です…」
苦笑いしたまーくんに、ババ…母さんが近付いてぶつけたおでこに手を伸ばした瞬間
「触っちゃダメ!!」
思わずまーくんに抱き付いて母さんの手からおでこを死守
死守、してから気が付いた
何してんの、俺
まーくんに触られたくないからって咄嗟に動いちゃったけど
「うわー、和也が乙女」
「うっさい!」
「開けた甲斐があったわ、これ」
「は?」
「ご飯、出来たから下おいで」
「そんなの下からいつもみたいに……って、え?」
母さんの顔を見ると、物凄く楽しそうな笑顔
楽しそう、つか苛めっこな顔?
「んふふふ、わざと開けたの。玄関でちゅーしたくらいだから二人きりの部屋!しかもお相手が雅紀くんだもの!」
やっぱりか!
こないだのちゅーを見られてから変だとは思ってたけど!
“ご飯食べて行って“ なんて言葉に油断してた
邪魔モノがいるとは言え、まーくんと長くいられる嬉しさに母さんの性格を忘れてた