君はぼくの全て
第12章 補習 2
練習中のバスケ部の様子を、今日は潤くんと並んで見てる
隣に誰かがいるって初めてだけど
まあ、潤くんだし、そもそも誰がいようと俺の見るとこは1つだから気にしなきゃいい
潤くんはまーくんにどうとかあるわけじゃないし(あったら存在消してやるけど)、一応 “友達“ に属するのは確かだから
……だけど
「なぁなぁ、あれどうなってんの?」
「お!智すげーっ!あ!決めた!」
「もうっ潤くんうるさいっ!!」
わずか5分で俺のイライラは頂点に達していた
*****
「大丈夫か?!」
切羽詰まった声
ザワザワとし出したコート内
誰かを取り囲むように立つ部員の様子がどこかおかしい
「なんだろ」
「…うん」
見学組の俺も潤くんも、その少し緊迫した様子に息を飲んだ
ただ、冷静でいられたのはまーくんがその取り囲む部員の中にいたから
そして智も、同じようにまーくんの横にいたからだ
もしまーくんの姿が見えてなかったら絶対パニックに陥ってたと思う