君はぼくの全て
第12章 補習 2
気になるけど、俺たちは完全に部外者
事の成り行きを見守るしか出来る事はなくて
いくら俺でもね
こういう場面で “まーくんに何かあった訳じゃなくて良かったー“ とは思わないんだからね
「あ……」
ゴリラ部長に支えられてゆっくりコートを出た人物を見て思わず声を上げた
あいつ
今日のHRで抜け駆けしたモブくんだ
顔をしかめて、支えられてなければ今にも崩れそうなくらいに右足を庇っている
「お前の呪いか」
潤くんが物凄く変な顔で振り返った
「違うし」
いくらなんでも、魔術は使えないから
「だってあれ、池田じゃん」
「池田?」
モブくん「池田」って名前なんだ
すぐ忘れちゃうだろうけど
「あいつ、スタメン選ばれてたのにな」
種類は違うけど、同じスポーツ部の潤くんにしたら、選ばれた後の怪我程ショックなものはないらしい
モブくん…もとい、体育館を去っていく池田を見ながら悲しそうに目を細めている
ん?
スタメンが1人減った?
……って事は