君はぼくの全て
第13章 補習 3
「いや、マジになるなって。ほれ、にの、面倒だからさっさと話せ」
「俺も知りたーい」
呆れ声の潤くんと、便乗した智
ほんっとムカつくなー
そりゃ、俺が悪いかと言えば “違う!“ って断言出来るよ?
本当に呪いかけた訳じゃないし
でもね
あの顛末は後味悪過ぎるよ
ほんのちょっとだけ “呪いが掛かったかも“ って怖くなったんだもん
「かず、話して?」
真面目な顔でまーくんに覗き込まれた
「……うん」
揺れる電車、まーくんの肩から顔は上げられないまま
だけどちゃんと、試合を見れなかった理由を
…途中、突っ掛えながらも何とか説明した
話し終わったのと、電車が降りる駅に着いたのはほぼ同時だった
潤くんは「良く聞こえなかった!」と喚く智を引っ張ってさっさと先に帰ってしまって
まーくんに促されるまま、人のまばらになったホームのベンチに腰掛けたけど
ー…顔、上げれない
どんな顔して良いか分からない