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君はぼくの全て

第16章 特別補習 1


「かず…?」

「見な、いで…っ」

ぎゅっと目を瞑って、まーくんの視界から逃げたくて目の前の胸にしがみついて顔を埋める

だって他に隠すものがなかったからそうするしかなかったんだもん

大して触ってもないのにイッちゃうなんて、どんだけ早すぎなんだよ


なのに

「…可愛い」

まーくんはそんな俺を揶揄う事なんかなくて

顔を見なくても「喜んでる」って分かる声でそんな事を言って、髪にちゅーまでしてくれて


「…ほんと?」

おずおずと顔を上げてみたら、予想以上に優しい目で見つめるまーくんがいた


「うん。かずは世界一可愛い」

「まー、……っ」

名前を呼ぶ前に口を塞がれたけど、そんなのはいい



だって嬉しい

嬉しい嬉しい嬉しい

男だけど、まーくんになら可愛いって言われても嬉しいしかない

だってまーくんが「可愛い」って言ってくれるのは俺にだけだって知ってるから


「…脱がすよ」

窮屈そうなズボンのトップボタンに手を掛けたまーくんに

「うん…」

それ以外の返事なんか、あるわけない

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