君はぼくの全て
第3章 3時間目
「お腹空いた」
「ああ、昨日むくれて部屋に籠城したもんね」
「そうだった?」
「やだ、覚えてないの?大丈夫?おかしくなった?」
その危ない人を見るような目、やめて
あなた、仮にも母親だよね?
「覚えてるし、おかしくないもん」
「なら、さっさとお風呂入りなさい。シャツ洗うから」
早く行け、とばかりに手で払う仕草
バイ菌か、俺は
「あ、今日出掛けるから」
用意してくれたトーストにかじりつく
溶けたバターと苺ジャムが絶妙で美味しい
「そう。どこ行くの?」
「うん、遊園地」
「誰と?」
「まーくん」
智と潤くんもだけど、それはおまけだし
「あんた、ホント雅紀くんべったりね」
かあさんが呆れた顔してるのは、見なくても分かる
「いいじゃん、別に」
「悪いなんて言ってないでしょ」
「そーですね」
適当に返事をしながら目玉焼気を箸で突付く
「いつまでもくっついてたら、二人とも彼女なんか出来ないわよ」
ー…ツキン
この痛み、嫌い