君はぼくの全て
第3章 3時間目
女の子じゃないから、洋服に迷う事はない
…と、思ってた
なのに
「…どうしよう」
まーくんがどんな服装なんだろうと考えたら、いても経ってもいられなくなった
隣にいても、おかしくないようにしたい
あまりにちぐはぐな格好は嫌だ、なんて
まるで、それこそ女の子みたいに悩む自分がいる
だっていつもは制服かジャージだし
「うーん……」
ベッドに放り投げた服を見て溜め息
そもそも俺、そこまで服なんか持ってない
この間、かあさんの買い物に付き合ってあげた時に買って貰えばよかった
あの時はこんなの想定外だったから “必要ない“ って断っちゃったけど
でも
きっと、…いや、絶対
まーくんなら何を着てっても「似合うよ」って笑ってくれる
「これでいっか」
薄い黄緑色のパーカーに、脛までの黒の半端丈パンツ
手持ちの中で一番状態がマシな奴を選んで鏡でチェック
うん、大丈夫。おかしくない
でもなんか、幼く見えるのは気のせいかな