君はぼくの全て
第4章 4時間目
「…ごめん」
「ちょっと休も。俺も休憩したいからさ、…あ、大ちゃん達は行っておいでよ」
ニコニコ笑ってそう言ってくれるまーくんは、俺なんかよりずっと大人だ
俺に落ち込ませないように、わざわざ言葉を選んでくれてる
「そう?んじゃ、遠慮なく。智、次あれ乗るぞ!」
「いぇーい!」
そして潤くん達も、こういう時は茶化す事はしないでさりげなく離れてくれるとか
ああ、何かもう自己嫌悪
「かず」
「……」
「アイス、食べる?」
「食べる」
「うん、じゃあ買ってくるね」
“待ってて“ とまーくんが立ち上がった瞬間、何故か咄嗟に上着を掴んだ
「ん?」
「…一緒に、行きたい」
「分かった。行こ」
「うん」
ふわりと笑うまーくんが爽やか過ぎる
どうしてこう、このヒトはいちいち俺をドキドキさせるんだろう
この状況、元はと言えば俺が悪い
だけど今は、お邪魔虫がいない事が幸せとしか考えられないのは仕方ないと思う
だって念願の2人きりなんだもん