君はぼくの全て
第4章 4時間目
ゆっくりゆっくり地上から離れるのと同じように、心臓が身体から離れていきそうなくらいドキドキが強くなる
でも
今日こそはって決めてたんだ
本当の2人きりになれたら、絶対お願いするんだって
「かず?どうしたの?…具合悪い?」
下を向いて固まってるのを、まーくんが勘違いしてる
声は出せそうにないから、首を振って “違う“ のアピールをしたけど
「でも」
ふわりとおでこにまーくんの手のひらが触れた途端
「えっ」
「まーくん!」
恥ずかしさのメーターが一気に振り切れて、まーくんに勢い良く抱き着いた
ガタン、とゴンドラが揺れて、まーくんが咄嗟に俺を抱き締め返す
あ、何か抱き着いた方が恥ずかしくないかも
顔を見られないで済むからかな
違う
まーくんのぬくもりが気持ちいいんだ
俺を受け入れてくれるのが安心するからだ
なのに
「かず、離れて」
「やだ」
「ダメって。離れて」
「やだったらやだ!」
まーくんの口からは、…拒否の言葉