君はぼくの全て
第4章 4時間目
「かず?」
「乗ってからでいいじゃん。早く行こ!」
今ここでメールなんかして、もし何も乗ってない時だったら困る
だって絶対合流するってなるから
「え、でも」
「いいからいいから!ね、行こっ」
まーくんの腕をぐいぐい引っ張って無理矢理歩き出す
早く観覧車に乗り込め
乗ってさえしまえばもう、こっちのもの
「行ってらっしゃーい」
明るいお兄さんの声に見送られ、観覧車のドアが閉まった
狭い空間に二人きり
あれ?
どうしたんだろ
嬉しくて仕方ないのに、意識したら急に恥ずかしくなっちゃったんだけど
対面にまーくんがいるって、あまりないから?
いつもは隣にいる方が多いから?
それにしたって
改めて向かい合って座るのって、こんなに緊張するもんなの?
ヤバい
顔が熱い
絶対真っ赤になっちゃってるよ、俺
おかしくない?
いつもくっついたり、抱き着いたりしてるのに
何でこんなにまーくんの顔が見れなくなってるの?