君はぼくの全て
第5章 5時間目
「ほぉー、へぇー」
合流するなり物凄く意地悪な顔で潤くんが笑った
何なのその顔!
何が「ほぉー」なの!
まーくんとちゅーした事はバレてないはず
だって観覧車降りて、合流するまで軽く15分はあったんだから
…見られてる訳、ない
「お前ねぇ、分かり易すぎ」
ニヤニヤしながら俺の肩に手を回した潤くんは
「いいねぇ、リア充」
俺にだけ聞こえるようにわざと耳許で囁いて
「いたっ!痛い痛い痛い!」
ぎゅううっと耳朶を親指と人差し指で引っ張った
「何すんだよっ」
「んー、そのにやけた面を戻そうかと」
「にやけてないもん!」
「は?すんげー不細工だぞ」
「酷いっ」
「…逆のにのだ」
智も!アホな事言ってないで潤くん止めろっつーの
「まぁまぁ」
まーくんに至っては、潤くんの指が離れたそこを優しく撫でてくれるだけで
つか、まーくんもすぐ止めてくれても良くない?
何で離すまで見てるだけなの
こういうとこ、ちょっと鈍感なんだから!