君はぼくの全て
第1章 1時間目
俺が体育館に行く目的はただ1つ
まーくんの勇姿を見るため
どうせ家に帰ってもする事ないし、だからといって同じ部活に入るつもりはない
だってさ
同じバスケ部に入ってしまったら、練習に追われてまーくんの活躍をじっくり見れないじゃないか
それに運動あんまり好きじゃないし
「また上から見る?」
まーくんが、ふわりと背中に触れた
「ううん、今日はこっち」
上の観覧席か、体育館の隅っこ。このどちらかが俺の見学ポジションで
今日は隅っこからの気分だった
「分かった。んじゃ、鞄頼むね」
にこっ、と笑って背中の手をポンポンと軽く跳ねさせるまーくんに、俺も首をちょっとだけ傾げて笑い返した
「おーい、俺もいるんですけどー」
「聞こえない」
「聞こえてんじゃねぇか!」
うるさいなー
俺とまーくんのラブラブな時間を邪魔すんなっつーの
「やだ、このバカップル」
「へへーん、羨ましいでしょ」
まーくんのジャージをきゅっと握りながら智に向かって舌を出した