君はぼくの全て
第6章 6時間目
汗に濡れたまーくんは3割増で色っぽいと思う
それはそれでドキドキしちゃうんだけど、やっぱりあんまり他の奴には見せたくないわけで
「お疲れさま!」
だから部活が終わるとすぐに、マネージャーが近付く前にタオルとスポドリを持ってまーくんの傍に駆け寄っていく
「ありがと、かず」
それを受け取るまーくんの笑顔は俺だけのもの
俺だけに向けられるもの
そして俺は優しいから、タオルを2本持っている
「ほれ」
まーくんに丁寧に手渡すのとは違って投げ付けたけど
「いてっ」
投げたタオルが智の顔面にヒットして “べちっ“ って鈍い音がしたのは気付かないフリ
タオルを用意してあげるだけ優しいと思え
まあ、本当は渡す必要もないんだけど、まーくんから “大ちゃんにも渡して欲しい“ なんてお願いされたらねぇ
そこはほら “いい子“ アピールはいくら両思いでも抜かりなくいかないと
もっとまーくんが俺を好きになってくれるようにね