君はぼくの全て
第6章 6時間目
家の玄関前に着いて、繋いでいた手を名残惜しげにゆっくりと離した
まだまだ繋いでいたいけど、玄関であまりうだうだしてるのも色々よろしくないから仕方ない
「そうだ、かず」
「なぁに?」
「明日…、うち来ない?部活ないし」
「ホント?」
元々、部活ないならデートしたいなとは思ってた
だからまーくんから誘われて、嬉しくない訳がない
「かずが見たがってた漫画、全巻揃ったし。…ああ、せっかくだから大ちゃ…「ダメ!!」」
もう!何言ってんの
どうしてそこで余分な奴を呼ぶの!
ここは “お前と2人でゆっくりしたい“ って決めるとこでしょうが
おうちデートでしょ?!
「ダメなの!まーくんちは俺だけが行くの!」
ホントこういう時鈍感なんだから!
むーっと剥れてまーくんを見上げる
「…そっか、そうだね」
まーくんも漸く俺の意図に気付いて、ちょっと赤くなるから
…つられて俺のほっぺもじんわりと熱くなった