君はぼくの全て
第7章 特別授業 1
「え、あ、えーと…」
繋ぎたい、って言えばいいのに
てか、今までなら言えてた筈なのに
まーくんから好きって言われてからは、こんな些細な事が恥ずかしくて言い出せなくなってる
「あ、そうか」
「え?」
「はい」
にっこり笑うと同時に俺の手がぬくもりに包まれた
包まれたそれはすぐに離れ、代わりに手のひらが合わされ指が絡められる
「あ……」
「ふふ」
今、頭に生卵落としたら、目玉焼き作れそうな気がする
*****
俺の家の前に来て、一度手を離した
今日は名残惜しくない
だって
「鞄、置いて着替えてくるね」
すぐにまたまーくんと繋げるから
ホントは帰らずにまーくんちに行くつもりだったけど
私服の方が楽だよってまーくんに言われたんだ
制服だとだらだら出来ないよって
…まーくんの服借りたくても、サイズが合わなすぎるし
いや、ホントは借りたかったんだけど
借りてまーくんの匂いに包まれたかったけど
それはさすがに言えなかった