君はぼくの全て
第7章 特別授業 1
隣を歩くまーくんをちらちらと盗み見る
…今日は繋いでくれないのかな
一度繋ぐの覚えたら、右側がやけに寂しく感じるのって贅沢なの?
制服が触れるくらいじゃ物足りないよ
あ、そっか
俺から繋いじゃえばいいんじゃん
待ってなきゃいけない事なんかないんだから
まーくんなら、ニコッと笑って喜んでくれるでしょ?
そうは思っても
恋人繋ぎを俺からと言うのはとてつもなくハードルが高いんだよね
腕を組むとか抱き着くより、遥かに高い
抱き着く方がよっぽどだろ、と言われそうだけどあれは勢いもあるんだもん
右手を意味無くグーパーしたり、ちょっと上に上げてヒラヒラしてみたり
どうやってまーくんの手に自分のそれを持っていこう?
まーくんは、凄く自然にさらっと繋いでくれたけど
俺にはそれは無理っぽい
「?、どしたの?」
不自然に手を動かす俺にまーくんが気付かない訳がない
立ち止まって不思議そうに俺を見つめている