君はぼくの全て
第1章 1時間目
大丈夫だよ
だって俺は知ってる
まーくん、いつも公園のゴールポストで練習してるし
こうして試合を見学してる時も、ぶつぶつ呟きながら動きを観察してる
他の雑魚どもみたいに本当に休憩してる訳じゃないんだから
「まーくんなら、すぐ立てるよ」
まーくんの鞄に頬を預け
にこっと笑ってそう伝えれば
「うん、ありがと」
まーくんの大きな手が、俺の髪をくしゃっと撫でてくれた
あー、幸せってこういう事なんだろうな
本当大好き
もう、好き過ぎて困っちゃう
大きな笛の音で試合が終わった事を知った
まーくんは試合をじっくり見ていたから、その笛が鳴る前に俺の横で身体を軽く動かしてたけど
俺にはまーくん以外興味ないから、あまり気にしてなかった
「見た?俺、シュート決めたぞ」
智が得意気に俺らの前に歩いてくる
「うん、大ちゃん動き早いね」
「見てないし」
正反対の返事をする俺とまーくんに、智が変な顔になった