君はぼくの全て
第8章 特別授業 2
確かにこの漫画は読みたいと思ってた奴だし
まーくんもそれを覚えててくれて、そこは嬉しいんだけど
…せっかくの2人きりだよ?
おうちには、誰もいないんだよ?
だからイチャイチャしたいって思っちゃうのおかしいかな
もうちょっとくっついて座るとかさ、ないわけ?
「むーっ」
「え、何?かず」
思わず声を出した俺にまーくんがすぐに反応した
てっきり夢中になって読んでるから、気付かないと思ったのに
「…もっと傍にいたい」
黙ってるのも嫌だから素直にそう口にした
だって “何でもない“ とは思ってないんだもん
「そっか」
ふわ、と柔らかく笑って、まーくんはすぐに起き上がった
「ここならいい?」
そして俺のすぐ隣に腰を降ろす
「ごめん。いつも寝そべって読んでるから」
なんて言って、俺の髪を撫でた
もう
これだけで許しちゃう俺ってば安上がりすぎ
分かってるけど、きゅんきゅんしちゃうんだから仕方ないじゃん