君はぼくの全て
第8章 特別授業 2
はい、と渡されたクッションにお尻を乗せる
くたびれた感じが座るのにちょうどいい厚さなのが、まるで俺の為にあったみたい
だけど
腰を降ろして少し落ち着いて
…改めて考えたら急にいたたまれなくなった
だって
まーくんの匂いに包まれた、まーくんの部屋
ここにあるもの全部がまーくんのものだと思ったら、何だか自分がまーくんに包まれてる気分になっちゃう
観覧車の狭い空間とは違う、何て言うか絶対的な安心感
テリトリーに入ったと言う変な達成感
…良く分かんないけど、とにかく幸せが大きくなりすぎて自分を見失いそう
「はい、言ってた漫画」
ドサッと目の前にそれを置いたまーくんは、何事もなかったように他の漫画に手を伸ばしていて
さっさと胸の下に枕を敷いて寝転がって読み始めた
…さっき、ちゅーしたのに何で平然としてんの
俺だけドキドキとか、バカみたい
ベッドを背にして寄りかかり、仕方なく漫画に手を伸ばす
だけど開いた処で頭になんて入ってこない