君はぼくの全て
第8章 特別授業 2
「……ん?」
左肩がやけに重い
漫画を読むフリしてぐるぐる考えて気付かなかった俺も変だけど、重い
ちら、と見るとまーくんが目を伏せて
……寝てる
電車の中の迷惑なやつ、みたいにがっつり寄り掛からないとこがまーくんらしいと言うか
もっと顔も近付けてくれていいのに、なんてちょっと思ったり
あー、でも
俯き加減ではっきりではないけど、まーくんの寝顔って初めてかも
無防備に寝てるまーくんって、カッコいいより何か可愛く見える
「へへ…」
いつもはまーくんが俺の髪を撫でるから、今日は反対
起きてる時には出来ないから、起こさないようにそーっと
だって起きてる時は恥ずかしいじゃん
いくらしょっちゅう抱き着いたり、ちゅーしててもね
何となく髪を触るのだけは何故か恥ずかしいの、…自分でも不思議だけど
思ったよりサラサラの黒髪
うん、何か手触り良い感じ
長くはないけど、指からするりと抜けるストレートは俺の軽い癖っ毛とは全然違う