君はぼくの全て
第9章 特別授業 3
もう一度、壊れものを扱うように丁寧に床に寝かせられた
片手はやっぱり頭を支えてて
多分…ううん、まーくんの事だから間違いなく、頭の下で手をクッション代わりにしてくれてるって分かった
だけど優しいとか、嬉しいとか
そんな事を思うより先に、何も考えられなくなる
だって
「ん…っ」
啄むようなちゅーからぺろっと唇を舐められて
思わず “え?“ と口を開いた途端、何かが俺の口の中に入ってきたから
何かなんて、そんなの1つしかないけど
……分かってても頭の中はちょっとパニック
俺の舌を唇で挟んで引っ張り出す
外気に触れてひんやりしたと思ったら絡まるようにまーくんの舌が動き出した
ひぇぇぇっ
これ、…これが所謂大人のちゅー?!
観覧車の中で、噛み付くようなちゅーを “大人のちゅー“ だと思った俺、甘すぎた
ちょっと怖くて、舌を引っ込めようとしても、俺より少し長いそれがあっさりと捕まえて逃がしてはくれない