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月明かりの追憶

第1章 はじまり

・藤ヶ谷side

夢を見た、光りが射し込む中で佇む1人の女性の。

白いドレスに長い髪、輝くばかりのティアラを付けて。

まるで天から舞い降りて来た天女の如く、その装いで俺のことをジッと見つめ。



「貴方を愛していました、ですから決して後悔はしていません」



でも逆光で、よく顔が見えなくてさ。

君は誰?俺と、どういう関係だったの。

ジリジリジリーッ、目覚まし時計が高らかに鳴りガバッと飛び起きたら朝だった。



横「で、太輔はその女性が気になっているんだ?」

藤「おかしい?夢の中の人なのに」

横「いや、夢ってさ何か意味があったりするときがあるじゃん」

藤「懐かしい香りがした」

横「んっ?」



心くすぐる…

そして、それからもその夢を見続けてく。



横「不思議だね」

藤「わた」



彼女は、いったい何を俺に言いたいのだろうか?



横「俺には分からないけど」



きっと、伝えたい事があるんだよ。

そう思っていた矢先、それは外での雑誌撮影のとき。



スタッフ「今日はそれぞれ自由に遊んじゃって下さい」

ニ「いいの?」

千「やったぁー」



自然な姿を撮りたいからと、カメラマンの要望で。



ニ「ミツ、こっちこっち」

北「うわっ、バカ水をかけるんじゃねぇよ」

千「キャハハハ、宏光ひっ掛かってやんのー」

北「お前らなぁ、もう頭に来た待てコノヤロ」

ニ千「あはははっ」



無邪気に遊ぶうちの最年少と最年長、アハッ



玉「宮田」

宮「んっ?なにタマさん 」

玉「いい天気だね」

宮「ほーんと、んふふっ」



のほほーんとし、ベンチに座っている、みやとタマ。



横「わっ、可愛い犬」

藤「うちのベルの方がもーっと可愛い」

横「それを言うなら」



あっ―



横「太輔?」



見上げた空に見えたのは、大空を駈ける白い馬。

嘘だろ!?



横「どうかした?」

藤「えっ、あ、うん」

横「???」



ペガサスっていうの?いるわけないじゃん、この世の中にさ。

けど俺は確かに見たんだ、大きな羽根を広げ飛ぶ姿を。

摩訶不思議な夢と現実―




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