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月明かりの追憶

第7章 今に生きる

北「だいいち俺だって男だし、それくらいは」

藤「だったら」

北「でも春日さんが俺に手を出すわけないし」

藤「分からないじゃん、そんなの」



あの眼、ニヤッと笑った時の妖しい光り。

一万円生活のとき。



藤「なぁ、北山ヤバくね」

横「大丈夫でしょ番組の収録なんだし心配はいらないって」

藤「でも」



(あんなの狼の檻の中にリスを入れるようなものじゃん)

そう思ったのは、自分だけだろうか。



藤「うわっ、肩を抱いた肩!」

千「大丈夫だって、ほらミツ振り払っているし」

藤「それ以上は近づくな握手なんかもしなくていい」

ニ「ガヤってミツのこと好きなんじゃない?」

藤「はっ?何を言ってる俺は、ただシンメとして」

千「心配しているだけ?クスッ」

藤「そっ、そう」

二「ほんとかな、ニヤッ」



今なら、嘘だと言える。

心は、あのとき既に反応していたんだ前世の記憶が蘇ってなくとも。

Jr.時代は俺様キャラで売っていた北山が、デビューしてからはすっかり刺が取れ今では更に可愛さが増し。



河「そうしたのはお前だろ太輔、クスッ」



俺の前だけなら、心配はいらないんだけど。



五「それは無理ってもん開花しちゃったんだし」



今では、可愛いキャラ全開で。



藤「はぁ…」



魔物に狙われなくなっても、これじゃーな。



横「やれやれ」

玉「大変だねガヤも」

宮「俺には、ただの妬きもちに見えるけど」

横「間違いなく、フッ」



毎日、気が休まる日がなかったんだ。

せめて北山が、もう少し自覚してくれたなら。



神「北山くーん」

北「おおっ、神宮寺どうした」



俺の心配は尽きない、これからもずっと。




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