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月明かりの追憶

第1章 はじまり

横「太輔、しっかりしろ」

二「いったい何が!?」



両手で頭を抱えこみ叫ぶ。



藤「うわあぁーっ」



まるで、身体が切り刻まれちぎれるかと思うほどの慟哭が押し寄せ。



藤「北山が死んでしまう」

二「えっ、なにを言っているんだよ!?ガヤ」

藤「もっ、やられてしまっているかもしれない」

横「まだ分からないじゃん」

藤「…い‥や…あいつは‥もっ」

横「いい加減にしな」



バシッ!



藤「くっ」

玉「わた!?」



と、いきなり渉に頬をひっぱたかれ。



横「お前それでもあいつの相棒?捜しもせず助けに行こうともしないで泣き言ばかり、それじゃミツが可哀相でしょ勝手に自分の中でシンメ殺してるんじゃないよ!クッ」

藤「‥‥っ」

横「護るって決めたなら護ってやりな、お前がやらなくて誰がやるの」



そうだ、わたの言う通りさ俺なにをやっているんだろう。

あいつは絶対に生きている、諦めたらおしまいじゃん。



藤「悪い、もう…大丈夫だから」

横「こっちこそ殴って悪かったね、フッ」

藤「いや、お陰で目が覚めたよ俺は必ず北山を助け出す二度と同じ思いをさせたりはしない、キッ」

横「よし郁人たちに集合をかけよう」

玉「どういうこと?」

横「お前らはな」



俺達はこの時、わたが前世の夢を見ていたことを初めて知ったんだ。

そして、全員が一丸となって北山を救出すべく魔のいる場所へ向かう事となる。

北山、いつから知っていた俺のこと?相変わらず独りで背負い込みやがってさ。

いま助けに行くから待っていろ、だからそれまで死ぬんじゃない。

甦る過去の光景―

それを繰り返さない為にも、俺達は一致団結をし誓い合う。

あいつをこの手に取り戻すことを。

慟哭は過去から現代へ繋がり、まさにいま同じことが起ころうとしていた。

そして―

輪廻転生の戦いの幕が開けたと同時に、北山の命の灯火がタイムリミットの警告を鳴らし始める。

俺達は、目覚めると共に再びその中へ身を投じて行ったんだ。

今度こそ大切な人を失わない為に―




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