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月明かりの追憶

第1章 はじまり

トルルルー

北山、頼む出てくれ、トルルー出てその声を聞かせバッカじゃねって笑い飛ばしてくれよ。

俺は、ひたすらそれを願い わたの顔を見つめていた。

すると―



横「もしもし」

藤「繋がった!」

宮玉千「‥‥っ」



何度目かでやっと通じ。



横「えっ、ニカ」

藤「どうして!?」



なんで、あいつが出るんだよ。



横「これミツの携帯だよね?うん、えっ、いない」

藤「ちょっと代わって」



それを聞き飛びつく。



藤「もしもし、どういう事」



と、携帯の向こうから苦しそうな声が聞こえ。



二「ミツ…と‥いろいろ…回って‥公園まで…来てさ‥話して…いたら‥いきなり…地面から‥スライムみたいなのが…出てよ」



スライム?まさか、魔物。



二「俺…締め付けられ気を失い‥気がつけば…ミツ‥いなくなってて…代わりにスマホと袋があったんだ」

藤「その公園って何処?すぐ行くから」



俺達は、急ぎ駆けつける。



藤玉千「ニカ」

二「ガヤ、わったータマ、千賀や宮田まで!?みんな一緒だったんだ」

横「うん」

千「大丈夫?」

二「ねっ、どうしようミツどこへ行っちゃったの」

藤「‥‥‥」

宮「二階堂」



そこには、かなり動揺しているニカがいた。



藤「とにかく、そのときの様子をもう少し詳しく教えてくれない」

二「分かった」



俺がそう言うとポツリポツリ話し始めてく。



二「で、この公園に来て、そしたら」

千「他に何か気づいたことは」

二「んー」

横「なんでもいい気にも止めないような事でも」

二「そういえば」

玉「なに」

二「ミツの左首筋に月のような痣があった」

宮「痣?」



なっ!?嘘…だろ‥



横「それ本当か」

二「うん昼間はなかったのにおかしいなぁーって思ったんだ」

藤「北山はなんて」

二「一瞬ヤバいって顔をし何かを言いかけたら」

横「太輔」



あいつが、あいつが月のプリンセス!?



横「おい太輔ってば」



俺が前世で愛した…



藤「俺はまた同じことを…ガクガクッ‥あいつを失ってしまう」



とたん、ガタガタと身体は震え出し。



千「ガヤさん?」

藤「わっ、わた」

玉「ガヤ!」

宮「どうしたの!?」



あの時の感覚が甦り。




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