テキストサイズ

月明かりの追憶

第3章 魔の刻 再び

・藤ヶ谷side

俺達は、どちらかというとクールな関係で。



北「はよ」

藤「おっ」



会ったときの挨拶もこんな感じ、そうであることに今まで違和感や疑問を抱いたことはない。

でも、あれ以来…

あいつの瞳が、俺以外のやつを見つめ楽しそうに笑っているのを見ると。



AD「CM入りまーす」



なんていうのかなぁ、こう胸がキュンって。



藤「違う違う絶対におかしいって」

中居「どうかした?藤ヶ谷」

藤「えっ?あぁ、なんでもないです」

中居「んっ?」



今はミになる図書館の生放送中、集中しないと

数時間後、無事に終わり。



藤「お疲れさまでしたぁ」



あいつ、何をやっているのかな。

気がつけば、北山のことを考えている自分。



藤「はぁーかなりの重傷だこりゃ、フッ」



口から洩れる何度目かの溜め息、ダメじゃん。



藤「もしもし、わた今からそっちへ行ってもいい?」



こんなとき頼りになるのは一番の親友でもある横尾渉、けど。



藤「そう兄貴が来ているんだ分かった、じゃまた」



タイミングが悪い、フッ

そう思いながらも道を歩いていた、そのとき。



「藤ヶ谷?藤ヶ谷じゃん久し振り」



えっ?



「俺だよ忘れた、一緒に入所した」



あっ、岬裕弥。

小学生でJr.入りした自分、それなりに同期もいる。



岬「しっかし偶然だなぁ」



が、知っての通り途中でやめてしまう人も珍しくはなく、こいつもその1人。



岬「テレビ見てるよ頑張ってるじゃん」

藤「あ、あぁ」

岬「ねぇ時間ある?せっかく会えたんだし飲みにでもいかない」



ふだんなら、簡単に誘いに乗ったりはしないんだが。

この日―



藤「少しならいいけど」

岬「そう来なくっちゃ、いい店を知っているんだ」



俺は、気を紛らわしたい心境だったのもあり応じてしまい。



岬「俺ね実は」

藤「‥‥っ」



が、行くべきではなかったと後になって後悔することになる。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ