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月明かりの追憶

第4章 募る想い

・藤ヶ谷side

玉「ふーん、じゃ今後の事とか二人で話し合わなかったんだ」

藤「まぁーね、フッ」



北山が仕事へ行ったあと俺はタマと待ち合わせをし、今朝のあいつの様子を話して聞かせた。



玉「ガヤはそれでいいの?」

藤「俺さ、あいつを見てて気がついたんだ」



まだ北山は、俺ほど想いが固まってはいないなと。



玉「どういう意味?」

藤「好きは好きなんだろうけど嘘偽りなく」



愛しているって言葉も。



藤「そう簡単に軽く口にするような奴じゃないしね」



でも―



藤「きっと俺が急かしてしまったせいで、どうしたらいいのか分からなくなってるんじゃないかな」

玉「なるほど戸惑っちゃっているってことか」

藤「もともと俺達その気はないし、だから」



が、前世の記憶がある自分の方が想いが強く出てしまい魔に捕らわれる結果となってしまった。



藤「北山は俺を助けたい一心で」



悩み、悩んで受け入れてくれたんだと思う。



藤「だから待っていようかと思って」

玉「待つ?」

藤「あいつが本当の意味で俺のこと受け入れてくれるまで」

玉「もしミツがやっぱ無理って言ったらどうすんの?」

藤「そのときは北山の気持ちを尊重するつもり」

玉「大人だねガヤは、フッ」

藤「はっ?なんだかんだいって30だよ当然じゃん」

玉「そういう意味じゃなく、クスッ」

藤「んっ?」

玉「年齢にそぐわずっやつ結構いるし」

藤「まぁーね、フッ」



ゆっくりでいい、ちゃんと考え答えを出して。

俺は、お前がどんな結論を出してもこの想い変わりはしないから。

愛しているよ、ずっと傍にいる。

そして、お前を護っていくって決めたんだ。

それは前世から今へと繋がった揺るぎなき想い、何事にも動じることのない深くて強い愛情だった。

ただ、一筋に。




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