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・北山side

数日後―



横「はっ？それってどういう」

北「だからさぁ」



俺は悩みに悩んだ末、横尾さんに藤ヶ谷とのことを話してみたんだ。



北「やっぱ俺、男だし」

横「そんなの太輔だって分かっているよ」

北「彼女にはなれない」

横「別にならなくてもいいんじゃないミツはミツのままで」

北「あいつの望むようには」

横「太輔は何も望んじゃいないと思う、ただ傍にいたいだけ」

北「そう…かな」



んーと考え込む俺を見て、困った顔をする横尾さん。



横「ミツ、太輔のことが好き？」

北「大好き、ｴﾍｯ」

横「なら今はその想いを大事にすれば」

北「でも会ったら、その…」

横「したくないならしたくないと言えばいいじゃん」

北「傷ついたりしない？不快な思いをさせちゃうかもしれないし」

横「ミツの気持ち分からない太輔じゃないよ」

北「‥‥‥」



そんな都合のいい付き合い方、俺には出来ないわ。

そう言ったら―



横「本当にそれでいいの？後悔しない」

北「だっ…て」

横「こんなこと聞くのもなんだけど、どうしてするのが嫌なわけ？」

北「べつに嫌なわけじゃ、ただ」

横「んっ？」

北「女に…なっちゃうから‥かな」

横「ミツ」



あいつに抱かれたとき、自分の知らない自分がいた。

それが、この先。



北「回を重ねるごとに、どっちの自分が本当の自分なのか」

横「どっちもじゃない」

北「‥‥‥」

横「分かったミツは自分が変わっちゃうんじゃないかって気にしてるわけね」

北「なのかなぁ？」

横「それも分からないんだ」



自分の気持ちが上手く表現できない、それは俺自身がよく分かっていないから。



横「時間が必要だね」

北「‥‥‥」

横「分かった、これからも何かあったら言ってきて話を聞くし」

北「横尾さん」

横「俺でよければ、ﾆｺｯ」

北「ありがと、ﾌｯ」



その代わり、自分の気持ちをちゃんと見つめ直して。

横尾さんから言われた言葉―

そして、答えが出たら藤ヶ谷と話をするようにと。

分かっている俺だって、あいつとちゃんと話し合いたいと思っているから。