テキストサイズ

千年の花嫁

第10章 不器用な愛情

・五関side

郁人が孤児、親の愛情を受けずに育ったって。

だから、それがどうしたっていうんだよ今まで自分にして来たことを許せってか?

それとこれとは話が別だろ、妖狐の事情を聞いて気持ちがコロっといってしまうお前らの方がどうかしている。

じゃなんで心が騒ぐ?

あぁーくそ、苛々する全部あいつのせいだ。

と、そのとき。



藤「独りで、どこ行く気?五関」



とつぜん、後ろから声を掛けられ。



五「別に、そんなの俺の勝手だろ嫁合わせの儀式が終われば自由に行動できるんじゃなかったっけ」



だいいち今更、逃げようだなんて思わないし。



藤「確かに、がついでだからいい所へ連れて行ってやろうかと思ってさ」

五「いい所?」

藤「あぁ、お前らにとってゲームもテレビもないここは退屈だろうし」

五「なんか遊ぶ場所でもあるわけ?」

藤「少し違う、フッ」

五「はっ?」

藤「まっ、ついて来いよ」



すると藤ヶ谷は、俺の手をグイッと掴みスタスタと歩き始め。



五「ちょ放せ聞いてたのと話しが違う無理強いはしないんじゃなかったのか」

藤「時と場合による、フッ」

五「なんだそれ?勝手な事を」

藤「ほら着いた」



が、連れて行かれた場所は。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ