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千年の花嫁

第12章 芽生えた命

・五関side

翌朝、郁人はまた食料の調達へと出掛けて行き暫くして。



五「塚ちゃん出掛けるの」

塚「いつも千賀にばっか任せてるから、たまにはやろうと思ってさ」

五「それってパトロールのこと?」

塚「そっ、そんなに遅くはならないと思うし」

五「分かった」

塚「あと、くれぐれも」

五「独りで外へは出ないように、だろ?フッ」

塚「うん」

五「でも妖狼だって正面切って中へ入って来たりはしないんじゃ?」



だいいち目立つしさ。



五「そんなバカなこと」

塚「油断は禁物」

五「塚ちゃん」

塚「あいつらは1度その味をしめている」



だから機会があれば、また狙ってくる可能性が高い。



塚「特に8ヶ月を過ぎた妊婦が狙われやすいんだ」



胎児もろとも食えるから。



塚「ごっち約束して俺が帰って来るまでここで絶対に待っているって」



何度も、何回も念を押し。



塚「じゃ行って来るね」



バタン!

塚ちゃんは、パトロールへと出掛けて行き。

妖狼か…

前世で、北山を死に追いやったのもそうだと聞く。

けど、まさか自分が遭遇することになろうとは。

この時はまだ、思ってもみないでいたんだ。

郁人が持って来ていた食料が原因で―




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