千年の花嫁
第13章 戦いの火蓋
・五関side
独りになってから、どのくらい経ったのだろう。
五「退屈だな、フッ」
ここには時計もなければテレビもない、今更だけど。
塚ちゃんと郁人の2人が傍にいたからこそ俺は寂しい思いをせずに済んだんだ、そう改めて実感する
と、そのとき。
あれ?なんだろう俺達の世界では窓の役割を果たす四角い障子。
その外側に、ピョコンと見える三角の影2つ、いや4つ。
んっ?6つかな。
ゆらゆらと揺れ引っ込んではまた、出てを繰り返している。
そのうち―
「お前が開けろよ」
「言い出しっぺはそっちだろ」
「もぉーどっちでもいいじゃん」
「だったらお前がやれ」
「そうさ」
この声、子供じゃん!?
そーっと出口の方へ向かい外へ顔を出して見れば、白・黒・赤の小さな尻尾が。
あの子達、もしかして孤児院の!?その後ろ姿が何ともいえず思わず。
五「なにやっているの、そんなところで?」
とたん、3つの背中がビクンと飛び跳ねた。
ぷっ、可愛い。
「あっ、あの僕たち」
「郁人兄ちゃんいますか」
いないよ、そう言ったら。
「あっ、赤ちゃんに会いに来ました」
へっ?クスクスクスッ
「じゃないだろ」
「だってぇーっ」
「まだ生まれてないのにおかしいじゃんそれ」
あはははっ―
五「中へ入る?」
子「はい」
子「えっ、いいの?」
五「君たち郁人がいた家の子だよね?」
子「僕たちのこと知って」
五「1度だけ藤ヶ谷に連れてかれた事があるんだ」
子「郁人兄ちゃんは、そのことを」
五「知らない、話してないし フッ」
子「そうだったんだ僕たちてっきり」
五「んっ?」
自分たちは、嫌われていると。
子「だから会いに来てくれないのかなって」
ごめん、そんなんじゃ。
五「なんて言えばいいのかな」
6つの瞳が、真剣な眼差しで俺を見つめている。
独りになってから、どのくらい経ったのだろう。
五「退屈だな、フッ」
ここには時計もなければテレビもない、今更だけど。
塚ちゃんと郁人の2人が傍にいたからこそ俺は寂しい思いをせずに済んだんだ、そう改めて実感する
と、そのとき。
あれ?なんだろう俺達の世界では窓の役割を果たす四角い障子。
その外側に、ピョコンと見える三角の影2つ、いや4つ。
んっ?6つかな。
ゆらゆらと揺れ引っ込んではまた、出てを繰り返している。
そのうち―
「お前が開けろよ」
「言い出しっぺはそっちだろ」
「もぉーどっちでもいいじゃん」
「だったらお前がやれ」
「そうさ」
この声、子供じゃん!?
そーっと出口の方へ向かい外へ顔を出して見れば、白・黒・赤の小さな尻尾が。
あの子達、もしかして孤児院の!?その後ろ姿が何ともいえず思わず。
五「なにやっているの、そんなところで?」
とたん、3つの背中がビクンと飛び跳ねた。
ぷっ、可愛い。
「あっ、あの僕たち」
「郁人兄ちゃんいますか」
いないよ、そう言ったら。
「あっ、赤ちゃんに会いに来ました」
へっ?クスクスクスッ
「じゃないだろ」
「だってぇーっ」
「まだ生まれてないのにおかしいじゃんそれ」
あはははっ―
五「中へ入る?」
子「はい」
子「えっ、いいの?」
五「君たち郁人がいた家の子だよね?」
子「僕たちのこと知って」
五「1度だけ藤ヶ谷に連れてかれた事があるんだ」
子「郁人兄ちゃんは、そのことを」
五「知らない、話してないし フッ」
子「そうだったんだ僕たちてっきり」
五「んっ?」
自分たちは、嫌われていると。
子「だから会いに来てくれないのかなって」
ごめん、そんなんじゃ。
五「なんて言えばいいのかな」
6つの瞳が、真剣な眼差しで俺を見つめている。