テキストサイズ

千年の花嫁

第14章 誕生そして

・五関side

郁人が暮らしていた家
郁人の匂いがする部屋



塚「ごっち、お風呂に入る」



あれから、塚ちゃんが教えてくれた。



五「うん」



3人で一緒に住んでいた家は、藤ヶ谷から嫁を貰う許可が出たあと住み始めた所で。



塚「じゃ準備が出来たら教えるね」



それまではずっと、ここにいたらしい。



五「ありがと」



だったらなおの事そこで暮らしたい、そう思ったからお願いしたんだ。

毎朝、起きるたび「おはよ」って郁人に言っている林の泉の方に向かって。

ねぇ、そこは冷たい?寒い傍へ行って抱きしめてあげたい郁人、クッ

考えただけで涙が出てくるんだ、もっと早くに好きだって言えば良かった愛しているって。



五「ごめんな、くっ、郁…ヒクッ‥うぅ」



あれから、泣いてばかりいる俺を塚ちゃんは凄く心配して。

けど―



塚「ごっち、出来たよ」



ハッ!



五「いま行く」



立ち上がった、次の瞬間!



五「なに、今の!?」



股間を伝わる生暖かい感触…



五「えっ、ええっ!?」



とたんズキンと、下腹部に鋭い痛みが走り。



塚「ごっち!」

五「つ…塚ちゃ‥クッ」

塚「たっ、大変だ破水している園長!園長来てぇ」



ドタドタドタ!



園長「どうした、こっ、これは」

塚「お願い長に、藤ヶ谷に早く知らせて早く」



ドタドタドタ!



五「赤…ちゃん‥郁人の…あか‥くっ…ハァハァハァ」

塚「だいじょうぶ大丈夫だから」



郁…人‥クッ

“心配いらないって、俺と五関の子は そんな柔じゃねぇし”



五「郁人おぉーっ」



力を貸してくれ俺、産みたいんだ、お前の子を。



藤「五関!」

五「藤…ヶ谷‥藤…クッ」

横「もう大丈夫、俺達が来たからには安心して」

五「横…尾‥ハァハァハァ」

藤「何分おき?」

塚「10分」

横「もうか!?」

塚「破水してから、いきなり陣痛が来てどんどん早くなり」

五「うっ、あぁーっ」

塚「ごっち、ごっちぃ」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ