千年の花嫁
第14章 誕生そして
横「胎児は降りて来ているの?」
塚「それが」
藤「待ってろ今、見てやるから」
藤ヶ谷は、そう言うと俺のお腹に手をかざし。
塚「どう?」
藤「くっそ思った以上に降りてない」
塚「まだ生まれる準備が出来てないんだよ」
横「だが破水してしまったからには産むしか」
五「くっ、あぁーっ」
塚「ごっち!」
俺、どうなってしまうの?塚ちゃん、なぁ ハァハァハァ
塚「5分おき」
横「ペースが早すぎる」
藤「こうなったら」
塚「どうする気?」
藤「塚ちゃん郁人の匂いがついてる物かなんかある」
塚「うん、ここ、あいつの部屋だったし」
藤「なら、それを五関に握らせてやってくれ」
塚「分かった」
と、塚ちゃんが。
塚「ごっち、これ」
五「…なに、ハァハァハァ」
人形?
塚「河合は子供の頃からずっとこれを握りしめていたんだ母親から貰った」
五「えっ」
ギュッ!
五「郁人の匂いだ郁、クッ」
藤「それを持って乗り切るんだ今、俺が赤ん坊を下へ降ろしてやるから」
横「太輔そんな事をしたら陣痛が益々早くなってしまう」
藤「だけど腹の子が助かる率も上がる」
塚「あとは生まれてからが問題だけどね」
藤「それは、お前の腕の見せどころじゃない?」
塚「そうだね、ニコッ(絶対に死なせたりしないから)」
なに?
藤「じゃ行くよ、五関」
五「うっ、わあぁーっ」
とたん押し寄せてくる陣痛。
横「3分おき2分1分おき太輔!」
五「うっあっ、郁人、ふっ、郁、ううっ、あぁーっ」
塚「ごっち頑張って」
藤「よし頭が見えて来た」
横「力を抜くんだ五関!」
五「…つは‥ハァハァハァ」
横「よーし、いいよ」
藤「出る、生まれる」
塚「出たあぁーっ」
“ほっ、ほぎゃあーっ”
生まれた郁人…クッ
その瞬間、瞳から涙が零れ落ちる。
塚「名前は?ニコッ」
問いかけられた言葉に―
五「玲流…(れいる)」
横「その意味は?」
五「透き通った水の流れのように純水で、よどみがない」
郁人がいる泉のような。
藤「いい名前だ、フッ」
横「きっと良い子に育つよ、ニコッ」
塚「河合に似た、フフッ」
玲流、俺と郁人の子―
塚「それが」
藤「待ってろ今、見てやるから」
藤ヶ谷は、そう言うと俺のお腹に手をかざし。
塚「どう?」
藤「くっそ思った以上に降りてない」
塚「まだ生まれる準備が出来てないんだよ」
横「だが破水してしまったからには産むしか」
五「くっ、あぁーっ」
塚「ごっち!」
俺、どうなってしまうの?塚ちゃん、なぁ ハァハァハァ
塚「5分おき」
横「ペースが早すぎる」
藤「こうなったら」
塚「どうする気?」
藤「塚ちゃん郁人の匂いがついてる物かなんかある」
塚「うん、ここ、あいつの部屋だったし」
藤「なら、それを五関に握らせてやってくれ」
塚「分かった」
と、塚ちゃんが。
塚「ごっち、これ」
五「…なに、ハァハァハァ」
人形?
塚「河合は子供の頃からずっとこれを握りしめていたんだ母親から貰った」
五「えっ」
ギュッ!
五「郁人の匂いだ郁、クッ」
藤「それを持って乗り切るんだ今、俺が赤ん坊を下へ降ろしてやるから」
横「太輔そんな事をしたら陣痛が益々早くなってしまう」
藤「だけど腹の子が助かる率も上がる」
塚「あとは生まれてからが問題だけどね」
藤「それは、お前の腕の見せどころじゃない?」
塚「そうだね、ニコッ(絶対に死なせたりしないから)」
なに?
藤「じゃ行くよ、五関」
五「うっ、わあぁーっ」
とたん押し寄せてくる陣痛。
横「3分おき2分1分おき太輔!」
五「うっあっ、郁人、ふっ、郁、ううっ、あぁーっ」
塚「ごっち頑張って」
藤「よし頭が見えて来た」
横「力を抜くんだ五関!」
五「…つは‥ハァハァハァ」
横「よーし、いいよ」
藤「出る、生まれる」
塚「出たあぁーっ」
“ほっ、ほぎゃあーっ”
生まれた郁人…クッ
その瞬間、瞳から涙が零れ落ちる。
塚「名前は?ニコッ」
問いかけられた言葉に―
五「玲流…(れいる)」
横「その意味は?」
五「透き通った水の流れのように純水で、よどみがない」
郁人がいる泉のような。
藤「いい名前だ、フッ」
横「きっと良い子に育つよ、ニコッ」
塚「河合に似た、フフッ」
玲流、俺と郁人の子―