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千年の花嫁

第15章 未来への光り

・藤ヶ谷side

その始まりは、早朝にやって来た。



北「うっ、んーっ」

藤「どうした?ひろ」

北「なんか…変‥クッ」

藤「んっ?ちょっと見せてみ」



腹に手を当てると、ドックン、ドックン伝わってくる心臓の音。

来たか。



北「ふーっ、治まったみたいだわ」



まだ間隔は長く痛みもさぼど強くはない、今のうち…



藤「お風呂に入ろうか」

北「えっ、なんで?」

藤「いいからほら、ニコッ」



グイッ!



北「ちょ、太輔」



その間、わたに連絡をし。



北「くっ、また変…ハァハァ」

藤「大丈夫、ニコッ」

北「これって陣痛か!?」

藤「俺がついている心配するな」

北「あっ、あぁ…クッ」



数分後―



北「ハァハァハァ、くっ、うぅ」

玉「ミツ、ミツ痛い?苦しい?頑張って」

北「たっ、タマ、腰…」

玉「擦って欲しいの?分かった」

北「もっと、もっと強く」



わたが駆けつけ。



横「どう調子は?」

藤「いい感じ、ニコッ」

横「そう、フッ」

藤「ただ…」

横「んっ?」



それを聞き、みる見るこいつの顔が驚きの表情へと変わってく。



横「間違いないの?」

藤「最初に気づいたのは6ヶ月の時それから様子を見ていたんだが」



確かにある、2つの心臓。



横「これはまた本当にミツはビックリさせてくれるよ」



俺たち妖狐には、滅多に双子が生まれてくることはない。



北「太輔、太輔えぇーっ」

藤「ひろ、ギュッ」

横「傍にいてやりな仕切りは俺に任せ」

藤「頼む、わた」

横「裕太 産湯の準備は出来ている?」

玉「ばっちりさ」

横「さすが、フッ」



暫くすると。



五「北山」

藤「五関おまえ」

五「ダチ代表で来た」

藤「玲流はどうしているんだ?」

五「塚ちゃんが見てくれてるから、ニコッ」

藤「そっ、フッ」



すっかり立ち直りやがって、郁人こいつはもう大丈夫さ。

そして―




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