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千年の花嫁

第3章 妖狐の一族

・二階堂side

あれは、夢なんかじゃなかったんだ。



横「イクよ、いい?しっかり受け止めな」

ニ「やだっ、やめてくれ、あっあっ、んああっ」



ドクドクと、自分の中へ流し込まれた熱い液体を感じながら俺は意識を失ってしまい。

翌朝、その腕の中で目を覚まし嫌ってほど現実を思い知らされてしまう。

くっ、あり得ない。

目の前にある九尾の狐の胸板は紛れもなく自分が、昨日こいつに抱かれてしまった証拠でもあったから。

なん…で、クッ

家を飛び出した時には、まさかこんな目に遭うだなんて予想だにしていなかった。

ただ俺は確かめたかっただけさトッツーがって、ハッ

そうだ、あいつ何処にいるんだよ。

ガバッと起き上がったら、グイッと掴まれ。



横「どこへ行くニカ」

ニ「うわっ」



わったーが引き戻し、再び俺を抱きしめる。



ニ「ダチを捜しに行くんだ放してくれ」

横「ダメだ、ここから勝手に出ることは許さない」

ニ「どうして」

横「お前がまだ心までは俺の妻になっていないからだ」



それって、自分に惚れなきゃ自由に行動させる事はできないってそう言いたいわけ。

バッとその手を振り払い。



ニ「ふざけんな勝手に連れて来て無理やり襲ったやつを誰が好きになんか」

横「チュッ」

ニ「んんっ…っは、やめっ、あふっ」



とたん塞がれる唇、いやだもうしたくはない。



横「よく聞いて、お前は自分が男に惚れたりなんかしないと思っているのかもしれないけど」

ニ「あぁ、俺にそんな趣味はない」

横「俺たち妖狐はね、むやみに誰振り構わず拐って来て嫁にしているわけじゃないんだよ」



どういう意味?



横「本能が自分のパートナーを教えてくれる。こいつなら最良の妻になると」

ニ「本…能」

横「そう俺もそれでニカの事を選んだんだから、ニコッ」



ドキッ、えっちょっと待って!なんで俺、ドキドキしているんだよ?



横「チュプ」

ニ「はふっ…んんっ‥ぁ…んっ‥ぁ…クッ」



と、再びキスして来たその舌に自然と応えてしまっている自分がいてさ。



横「ふっ、少しは心に響いたみたい」

ニ「響く?」

横「これから徐々にその扉を開けてやるから」

ニ「なんのこと言っ…」



ビクン!



ニ「んっ、わったー、あっはっ、んっ」




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