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千年の花嫁

第19章 愛する人へ

すると千賀が…



千「雌の妖狐は俺たち一族の命そのもの」

橋「唯一大神狐と神通力で繋がる事が出来るんだよ」

戸「じゃ今の力は」

千「まだ幼いから完全には使いこなせていないけど」

橋「ありがとう蒼空、宮っちの血を止めてくれて」



ハッシーは、ミツの腕の中で眠るように意識を失っている蒼空の頭を撫でながらそう言う。

雌の妖狐って、すっげぇー

それから宮田はポツリポツリと、ごっちに何があったのかを俺達に話してくれたんだ。



戸「そんな、じゃ」

宮「あい…つは‥言っ‥たんだ…ハァハァハァ」



“お前は他の連中と合流し妖狐を1人残らずやっつけろ俺は”



ニ「俺たちを殺すって!」

宮「だ…から‥五関…くんは‥くっ」



“行かせねぇーっ”



北「五関、クッ」

戸「で、怪我の具合は?」

千「ハッシー、塚ちゃんはなんだって?」



普段は無邪気なハッシー、だが こいつもタマと同じ白狐、だから神通力もそれなりにある。

それで塚ちゃんと通信して貰っていたんだけど、その顔がどんどん曇っていき。



戸「よく…ないの?」

橋「痛みはないってガヤが神通力で消してくれたから、でも」



ダッ!



千「だめニカ、ぎゅっ」

ニ「放せ千賀」

北「ニカ」

ニ「傍に行ってやらなきゃごっちの傍に、クッ」

橋「ダメだってば!ギュッ」

戸「ハッシー」

橋「ごっちは奴をここへ向かわせまいと短刀で独り立ち向かったんだ」

千「そうさ外はまだ危険がいっぱい」

橋「ニカやトッツー、宏光の身に何かあったらごっちが悲しむ」

千「これ以上悲しませたらダメだって、そうだろニカ」



ハッシー、千賀、クッ



戸「2人の言う通りさ」

北「んだな」

戸「待とう二階堂」

ニ「くっ」



そして俺達3人はひたすらごっちの回復を願いつつ、そのまま夜明けを迎える事となる。

戦い続ける妖狐たちの声を聞きながら。




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