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千年の花嫁

第22章 月は赤く染まる

・北山side

俺が、この学校に赴任して来たのは1年前。

そのときから、こいつは。



藤「先生、遊びに来た」

北「だから授業に出ろって言ったろ」

藤「勉強なら、ちゃんとしている」

北「そういう意味じゃなく」

藤「クスッ」



熱い瞳で、俺を見つめていて。



北「横尾さん、藤ヶ谷なんとかならねぇか?」

横「ならない、クスッ」

北「おまえ担任じゃん」



それが今日―



北「あっ、んっ、マジでよせ、ああっ」



その手が、俺の肌の上を滑りアレを扱き。



藤「宏光、思い出せ」



耳元で名前を呼んでは誘いをかける。



北「はあっ、あっ、なにを、なに、クッ」



“ひろ、ひろ”ズブズブッ



北「うああっ、硬い、かっハッ」



そのとき感じたんだ俺は知っている、この感触を。



北「ああっ、あっ、太…」

藤「そうだよ、ひろ俺だ」

北「太輔、ギュッ」



思い出した温もり、優しさ熱いほどのこの愛。

ギシッ、ギシッ!



北「はうっ、あっ」

藤「時間をかけさせやがってったく、フッ」

北「太輔えぇーっ」



俺の生涯ただ1人の愛する人。



藤「ふっ」



それから、俺達は何度も愛し合い。



北「あっ、ああっ、イクッ、いっ、あぁーっ」

藤「どう転生して人間になった俺は?」

北「変わらねって」

藤「んっ?」

北「太輔は、太輔だからよ」

藤「ひろ、フッ」



チュッ!

気がつけば夕方、下校時刻のチャイムが鳴り。

トントントン!



北「やっば、誰か来た」

藤「大丈夫、ふっ、入れよタマ」

北「タマ?」



ガチャっと扉が開き、懐かしい顔が姿を現す。



玉「ミツ、ニコッ」

北「タマ、タマだぁーっ」



ダッと飛びついたら。



藤「バカおまえ裸、クスッ」

北「タマ、タマ」

玉「泣かないでミツ、俺はいま元気でここにいる」

北「くっ」

藤「ふっ」

北「もしかして」

玉「うん、ニコッ」



ありがとう宮田。




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