テキストサイズ

千年の花嫁

第22章 月は赤く染まる

玉「しっかし、お二人さん初っぱなから激しいねぇ」

北「えっ」

玉「ぜーんぶ廊下に聞こえてたよ、ニヤッ」

北「あっ、あぁーカァーッ」

玉「あはははっ」



焦ってキョドる俺、笑うタマと太輔。



玉「よし、じゃあ俺は宮田に会って来るミツも一緒に来る?」

北「どこへ」

玉「稲荷神社、ニコッ」

藤「みんないる」

北「はっ、ハズイから今日はいい」

藤「んっ?」

北「だっ、だってさ」

藤「ふっ、分かった風呂へ入りに行こう」

北「はっ?」

藤「腹も減ったし、なっ」



太輔と俺は―



北「って、どうして俺んちなんだわ」

藤「だって俺、まだ高校生だもーん ニヤッ」

北「チッ、ずるいわ!こういう時だけ生徒に戻り」



タマと別れ、それから。



北「ふっ、んっ、太輔」

藤「また、こうして愛してやるから」

北「ああっ、ずっと…か」



チャプン、チャプン!



藤「もちろん、ニコッ」

北「太輔、フッ」



その翌年、高校を卒業した太輔と俺が一緒に暮らし始めたのは言うに及ばず。

タマは、宮田と再会し。



玉「俺のことが好きならグズグズしていないで奪いに来い」

宮「タマ、ぎゅっ」



裏稲荷では妖狐の雄同士の恋愛は禁止されていた、だから千賀は独りを通し続け。

太輔は、タマの願いを叶えることに躊躇していたってわけさ。

が、ここでは自由。



北「ニカ」

ニ「ミツうぅーっ、ギュッ」

千「こらぁ、今は俺の兄貴だぁ」

宮「千ちゃんが妬きもちを焼いてるぅ」

河「キャハハハ」

五「変わらないね、みんな」

戸「うん」

塚「ちょハッシーじゃれてくんなってぇ」

橋「だって塚ちゃん面白いんだもん」

塚「俺は、お前のオモチャじゃない」

横「相変わらず賑やかだなぁ、クスッ」



次の日、改めて再会を果たした俺達は週末に行われる稲荷神社のお祭りに想いを馳せていた。

きっと会える、きっと愛しい我が子に。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ