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千年の花嫁

第3章 妖狐の一族

「まさかただの迷信でしょ古い村にはよくある事じゃない」

「いや俺は会ったんだ稲荷神社で金色に輝く妖狐に」

「そん…な」



父さんが16になった年、空には赤い満月が怪しく夜道を照らしていた。



母「たまたま学校の部活で帰りが遅くなってしまい」



だけど何故だか避けて通るつもりでいた稲荷神社に、来てしまっていたという。

慌てて戻ろうとしたら…

ボーッと淡い光りのような物が浮かび出て、それは妖狐の姿となり。

「違う、お前じゃない」そう呟き姿を消したというんだ。

もしかして太輔?



母「父さんは、あの伝説の少年の末裔なの」

北「マジっ、それ!?」

母「えぇ、当時そこの家には女の子もいて」



じゃ俺は…

けど何年経っても男の子は生まれず、やっと出来たのが父さん。

村人たちも両親も、喜ぶというより心配したらしい。

伝説が再び繰り返されるんじゃないかと。



母「息子が妖狐と遭遇した父さんの両親は慌てて都会の寮がある高校へ転入させ二度と村へは帰って来るな、そう言ったそうよ」



連れて行かれなかったとはいえ万が一の事を考えてって事か。

そして俺が生まれた━




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