千年の花嫁
第3章 妖狐の一族
母「母さんね貴方が生まれてから気になっていたことがあって」
北「なに?」
母「左耳の後ろ、うなじの近くにある小さな痣」
北「へっ?」
そんなのあったっけか?
母「気づかないのも当然よ自分では見れない場所だから」
確かに、そうだけど。
母「その痣、普段は目立たないのに時々金色に光っている事があるの」
マジで!?
母「まるで何かの目印みたいに」
なっ…
母「お願い月が元に戻るまで学校も休んで母さんの傍にずっといて」
北「母さん」
母「貴方を失ったら生きてはいけない、ううっ」
北「泣くなってば」
母「独りにしないで宏光」
ズキンと心が痛む。
ゴメン、ごめんな母さん、ずっと不安で怖かったんだよな。
俺がいなくなるのが、なのに冷たくして本当にごめん、クッ
母「ここを出ましょう」
北「親父は?」
母「別れてでも貴方を護るわ母親ですもの、フッ」
北「‥‥っ」
母「それに、あの人は私を許してはくれないと思う貴方を選び高嗣を見捨てた私を」
北「かぁ…さん‥」
母「ごめんなさい、高嗣…本当に‥ううっ…ぁ‥」
それから、母さんは暫く泣き続け疲れきったかのように眠ってしまい。
俺の手をギュッと握りしめたまま…
その涙でグシャグシャになった寝顔を見つめながら、これは自分の運命なのかも知れない。
そう思った━
だったら逃げ出すわけにはいかないと。
北「もう決心したんだ」
太輔に会って頼もうって、みんなを返してくれるよう。
優しい声だった、彼ならきっと分かってくれる。
俺は、そう信じたかったんだ。
北「だからその為に行く、ごめん母さん」
母さんの顔にある1本1本のシワは、俺を育てるため必死で生きて来た証し。
忘れないよ、どこにいてもどんな時でも。
たとえ数日後に、母さんが俺のことを忘れてしまったとしても。
決して、いつまでもずっとな。
母さんは自分にとって血の繋がった、たった独りの親だから。
産んでくれて有り難う。
そっと額にキスを落とし、俺も隣で横になる。
久々に、母さんの温もりを感じながら。
北「なに?」
母「左耳の後ろ、うなじの近くにある小さな痣」
北「へっ?」
そんなのあったっけか?
母「気づかないのも当然よ自分では見れない場所だから」
確かに、そうだけど。
母「その痣、普段は目立たないのに時々金色に光っている事があるの」
マジで!?
母「まるで何かの目印みたいに」
なっ…
母「お願い月が元に戻るまで学校も休んで母さんの傍にずっといて」
北「母さん」
母「貴方を失ったら生きてはいけない、ううっ」
北「泣くなってば」
母「独りにしないで宏光」
ズキンと心が痛む。
ゴメン、ごめんな母さん、ずっと不安で怖かったんだよな。
俺がいなくなるのが、なのに冷たくして本当にごめん、クッ
母「ここを出ましょう」
北「親父は?」
母「別れてでも貴方を護るわ母親ですもの、フッ」
北「‥‥っ」
母「それに、あの人は私を許してはくれないと思う貴方を選び高嗣を見捨てた私を」
北「かぁ…さん‥」
母「ごめんなさい、高嗣…本当に‥ううっ…ぁ‥」
それから、母さんは暫く泣き続け疲れきったかのように眠ってしまい。
俺の手をギュッと握りしめたまま…
その涙でグシャグシャになった寝顔を見つめながら、これは自分の運命なのかも知れない。
そう思った━
だったら逃げ出すわけにはいかないと。
北「もう決心したんだ」
太輔に会って頼もうって、みんなを返してくれるよう。
優しい声だった、彼ならきっと分かってくれる。
俺は、そう信じたかったんだ。
北「だからその為に行く、ごめん母さん」
母さんの顔にある1本1本のシワは、俺を育てるため必死で生きて来た証し。
忘れないよ、どこにいてもどんな時でも。
たとえ数日後に、母さんが俺のことを忘れてしまったとしても。
決して、いつまでもずっとな。
母さんは自分にとって血の繋がった、たった独りの親だから。
産んでくれて有り難う。
そっと額にキスを落とし、俺も隣で横になる。
久々に、母さんの温もりを感じながら。